#012 不動産売買で重要な境界 今回は「境界確定」について解説します

『土地の資産価値を上げる!』 高額で売却する為のアドバイス(2)

<境界確定編>

土地の資産価値を上げるにはどうすればいいのか?

不動産業者であれば当たり前の知識でも、一般の方にはどうすればいいのか分からないのではないでしょうか?

そこで今回は、境界の確定についてレポートしようと思います。

不動産を売却する前にやるべき事で、1番大事といっても過言ではないのが境界の確定だと思います。

それでは、なぜ境界を確定する必要があるのでしょうか?

答えは簡単で境界を明確にしないと、自身の土地がどこまでなのか分からず、トラブルのもとになるからです。

又、長い間、境界線がこの辺りだと思っていても実際に測量すると数センチずれていることがあります。たかが数セントでも全体の面積で考えると大きな損失になる事もあります。資産価値を高める為にも、境界を確定させる事は大事なのです。

それから、民法では「建物を築造するには境界線から50センチメートル以上の距離を保たなければならない」とあり、境界線が曖昧だと、どこから50cm離せばいいのかが分かりません。

長い間ご近所付き合いがあり、はっきりさせずに、なんとなくやり過ごしてきた方もいらっしゃると思いますが、新しくその土地を購入しようと考えているお客様にとっては、境界の有無はとても重要な事なのです。

では、どうやって境界を確定するのか?

境界を確定するには、土地家屋調査士に依頼します。

土地家屋調査士が現地を調査、測量をして仮測量図を作成します。この仮測量図を基に隣接地の皆様に立ち会ってもらい、皆様の同意を得て境界の位置を確定させ、境界標を設置します。

測量図と土地境界確認書、覚書を作成してもらうことが大事!

次に、土地家屋調査士は測量図を作成しますが、この時に隣接地の皆様から「土地境界確認書」を貰うように土地家屋調査士に依頼しましょう。これは隣接地の所有者が境界の位置を認めた証で将来の売買にとって非常に重要な書類になります。

又、同時に越境物に関する覚書も作成してもらいましょう。

例えば、古い塀などは、境界線上に造作されている事が多々あり、誰の所有物なのか、若しくは共有物なのかはっきりさせることが、新しい所有者にとっては大事なのです。上記の事が分からないと、壁を作り直していいのかどうかも分かりません。又、古い大谷石などは10cm以上越境している事があり、解消する事が難しい事もあります。買主が購入する前にどのような越境物があり、どのような対策を講じているかを説明できるかどうかが重要なポイントになります。

壁以外にも、エアコンの室外機や樹木、屋根の一部や雨樋が越境してる事があります。

何が何処にどの位越境しているのか分かる図面を土地家屋調査士に作成してもらう事をお薦めします。

 

その他に土地家屋調査士にお願いしておくことは?

土地家屋調査士のお仕事で他にお願いする事は、建築をする際に必ず必要になるので測量図面に真北を記載してもらう事や、道路と敷地に高低差がある場合は高低差図を作成してもらう事をお薦めします。

境界にはどんな種類があるのか?

境界には民民と官民と言われている境界があります。民民というのは、民間人同士の所有地(民有地)の境界を指し、官民というのは民有地と行政庁の所有する官有地の境界を指します。一般的に官民というと道路(公道)と民有地の境界がおおいです。民民の境界を設置する場合は隣接者に立ち会ってもらい同意を得て書類が完成するまでに概ね1~2か月程度で完了するのですが、官民の場合は3~4カ月程度かかるので気を付けましょう。この官民の境界ですが、土地を分筆する場合には必ず必要になります。大きな土地をご所有で、土地を分筆して売却する不動産業者が1地番高額で購入してもらえる可能性がある場合は買い手の幅を広める為にも、資産価値を高める為にも、官民査定をしておくことをお薦めします。

古い測量図とよく分からない境界標には注意しましょう。

最後になりますが、古い測量図をお持ちで、これがあるから大丈夫だと考えていらっしゃる方もいると思います。しかし古い測量図の場合、実際の面積と誤差があったり、境界杭が移動していたり、図面自体がいい加減な場合や、隣地の方との書面が無い場合があります。その場合は再度の作成をお薦めします。

そして、今回のテーマである境界標ですが、昔から境界標のような物が隣地との間辺りにあるから、多分これが境界標だろうと思っている方はいないでしょうか?もしくは不動産を購入した時に、仲介業者から書類がないにもかかわらず、ここが境界標だと説明されてそのままにしている方はいないでしょうか?昔の仲介業者はいい加減な方もいらっしゃたようで、間違った説明をされて現在、境界紛争中のケースもあります。ちなみこのケースはたまたま道路境界標が民民の境界標の数cm横にあった為、これを境界標と説明されたようで、実際の境界標はブロック塀の下にしっかり入っていました。

不動産を高額で売却する為には、買主に安心してもらい、納得してもらい、高額でも購入しようという意欲を持たせる必要があります。その為にも境界標について正確に買主に説明できる資料を揃えて置く事が重要です。

 

合わせてお読みください
『土地の資産価値を上げる!』 高額で売却する為のアドバイス その1

 

「不動産オークション」実績多数!
大きめの土地を売却ご検討方はぜひ㈱ユアーズ・コーポレーションの「不動産売却入札システム」をご利用下さい。